2024/11/23
『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』主人公・ソラリや、あのユーリ・ケラーネなど “キャラクター”のモデリングについて、制作スタッフからの特別インタビューが到着!
「CGWORLD 2024年12月号 vol.316」にて「ガンダムCGの変遷と最前線」特集として、進化し続けるガンダムCGの変遷をたどり、『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』の制作の舞台裏を大特集。
今回は、主人公・ソラリをはじめとする、Unreal Engine 5で制作されたこだわりがつまった「キャラクター」のモデリングについて、モデリングアーティスト・藤田 祐一郎氏による、スペシャルインタビューの様子をお届けします。
―無限にある選択肢の中からマッチするスタイライズを探す
『復讐のレクイエム』の約10体のメインキャラクター制作は、藤田 祐一郎氏を含む3人のモデリングアーティストが分担した。「2021年2月に、ソラリのラフモデル制作から着手しました。キャラクターデザインのManuel Augusto Dischinger Moura さんは、女性の美しさを頰骨の強調によって表現したり、リーダーらしさを力強い顎のラインで表現したりしており、日本のアーティストとはちがうセンスをもっていました。Brosdau監督の修正指示も、日本のアートディレクターからは示されたことがない方向性だったので、すごく新鮮でした。日本人の私が担当するからには、Brosdau監督の方向性を汲み取りつつ、
日本人にも受け入れやすい造形にしたいという思いで制作に臨みました。無限にある選択肢の中から、本作にマッチするスタイライズを探し、国内外の方々に受け入れられるキャラクターに仕上げる経験は、大きな学びになりました」(藤田氏)。
なお、髪はラフモデル段階までは藤田氏がポリゴンで表現したが、フリーランスのヘアースペシャリストであるJohan Lithvall氏が後工程でMayaのXGenに置き換え、そのスプラインをUEにインポートしてレンダリングしている。表情はFACEGOODで表現
したので、モデリング段階では、ほうれい線や、おでこのシワの位置が特に重視された。
=イリヤ・ソラリのデザインとモデリング=
A:Moura氏によるデザイン画/ B:データ量を削減しつつ、高解像度のディテールを表現するため、様々な質感のノーマルマップをタイリングした。ソラリには顔や上半身などの7枚の4Kテクスチャを用意しており、各テクスチャに対して、4種類(RGBAチャンネル)のノーマルマップを使用できる
C: 制作開始から15日目のモデル。モデリングはBlenderで行なっており、Rigifyを用いて仮の簡単なリギングを施し、デザイン画と同じポーズを付けた上でBrosdau監督にチェックを依頼した/ D :完成モデル
E:藤田氏がつくったソラリの頭部に対する、F:Brosdau監督のペイントオーバー。頬骨や顎のラインをより強調する指示が出されている。意志の強さを表現するために、唇はあえてふっくらさせず、直線的なラインにスタイライズしたいという指示も出された/ G :完成モデル
=ユーリ・ケラーネのモデリング=
K:メインキャラクターの対比表
L:ユーリ・ケラーネのデザイン画の一部と、M:完成モデル。ユーリの制作は後藤美沙氏が担当しており、モデリングはMayaで行なっている。ユーリは『08小隊』にも登場するので、元のイメージを維持しつつ、本作のほかのキャラクターと並んだときにも違和感がないようにするため、Moura氏によるデザイン画の段階から何度も調整がくり返された。「スタイライズの方向性はソラリやほかのキャラクターのモデリングを通して決まっていたので、同じ方向性でユーリもつくってもらったのですが、どうにも違和感があったので、Brosdau監督やBNFと相談しながら髪型や顔の造形に何度も手を加え、締め切り直前まで試行錯誤をくり返しました」(藤田氏)
全容は是非、「CGWORLD 2024年12月号 vol.316」を是非チェックしてください!
https://cgworld.jp/magazine/cgw316.html